久しぶりの外出


< ストーリー>
男の名は佐藤直志。岩手県陸前高田市で農林業を営み、仲間から“親分”と慕われている。彼の家は1000年に1度の大津波で壊され、消防団員の長男は波にのまれた。生きがいを失った男に何ができるのか? 直志はひとつの決断をくだす。元の場所に家を建て直そうというのだ。自分はきこりだ。山に入って木を伐ればいい。友人から田んぼを借り、田植えもしよう。仮設住宅には何があってもいかない――。
土地に根ざし、土地に生きる人々の行く末をおもう彼の強さと優しさは、少しずつ周囲を動かし、生きることの本質を問いかけていく。忍び寄る病魔、耐えがたい腰の痛み、遅々として進まない市の復興計画……。数々の障壁を乗り越えて、77歳の彼は夢をかなえることができるのか――。

ーー

昨日3月23日、バタバタして上映時間にちょっと遅刻してしまってはじめの方が観えなくて残念だったけど、福祉会館へドキュメンタリー映画「先祖になる」の上映会&トークショーに行ってきました。まぁ福祉会館のホールだし、3分の2くらい人が入ってたらいい方かと思って行ってみたら後ろの方まで一杯超満員でびっくりでした!ちょっとやばかったです(感染的に(汗))

感想はというと、ドキュメンタリー映画なので派手な演出や盛り上がる場面もなく、直志さんと周りの人たちのありのままの生きる姿を映していました。震災にあい息子さんを亡くしたというのに、「当たり前のことを当たり前にやる」という言葉どおり頑固というか強い信念を持って前向きに生きる姿に感動しました。明るくユーモアがありとても素敵なおじいちゃんでした。
神仏への畏敬の念を忘れず、先祖に感謝し、四季の恵みを愛おしみ自然と共に生きる姿に、やや失われつつある日本人の美徳をみた気がしました。
「人は働かないかん、仮設住宅に行ったら貰い癖がつく」という言葉は地に足が付いた直志さんだから言えるのでしょうね。
ラストシーンの窓の外の夕日に向かって椅子に座りお茶を入れる姿が、すごく美しいというか、安らぐというか、感動的でした。

あと、トークショーの終わりで市長の「奥さんとはどうなっとんなぁ」という質問には皆さん爆笑でした(やっちまったなぁ(汗))。直志さんが言うには今までで一番辛い質問だったそうですが(笑)、奥さん嫁さん孫たちは仮設住宅に移り住んだままで、齢80にしてせっかく新しい家を建てたのにまだ別居状態というのがちょっとかわいそうだけど可笑しかったです(笑)
でも、嬉しいことも悲しいこともすべて受け入れて前向きに人生を楽しめるって幸せなことだと思いました。

最後に直志さんが言った『両親に育ててもらったことを感謝し、そしてそのご先祖さまに感謝すること』、まずはこの当たり前のことを当たり前にやって行こうと思います。

舞台から降りて退場する時、握手してもらえました!
すごく力強くて温かかったです(o^^o)